第1章  総説 1 計画作成の意義

1 計画作成の意義

 時代の転換期にあって、沖縄の振興発展をどう図っていくのか。本土復帰して30年いわば一世代の時が経過し、新世紀を迎えた今、幾多の課題を抱えつつも大いなる発展可能性が現実化しつつある中、沖縄振興の新たな展望を切り開いていかなければならない。

 3次にわたる沖縄振興開発計画に基づく総合的な施策の推進と県民の不断の努力が相まって、各面にわたる本土との格差は次第に縮小され、県民生活も向上するなど社会経済は着実に進展してきた。

 しかしながら、社会資本整備等における本土との格差は総体として縮小したものの、道路、空港、港湾等の交通基盤の整備をはじめ、なお多くの課題があり、産業の振興や県民の新たなニーズへの対応を含め、今後とも積極的に整備を進めていく必要がある。

 さらに、本土から遠隔の離島県ゆえの不利性や米軍施設・区域が集中するなど沖縄の置かれた特殊な諸事情もあり、自立への展望を開くまでには至っていない。

 1990年代を通じ我が国経済が低迷する中で、沖縄経済も発展への足がかりを模索しているが、所得水準も全国平均の7割程度にとどまっている。こうした状況の中、失業率も全国平均に比べ高い水準で推移し、財政依存度も高いまま今日に至っている。

 全国各地においても現状を突破しようとする様々な取組がなされていることを考えた場合、沖縄にあっては、従来の枠組みにとらわれることなく、これまで以上の積極的な取組が求められる。

 こうした要請にこたえたのが、自立型経済の構築に向け策定された「沖縄経済振興21世紀プラン」であり、これに基づく思い切った施策の推進により、情報通信産業分野における企業立地及び雇用の確保、航空運賃の引下げによる観光客の大幅な伸びなど、着実な成果を上げつつある。また、我が国初の地方開催となったサミット首脳会合の成功を契機に、各種の国際会議が相次いで開催されるなど沖縄の優位性に着目した取組も、実を結びつつある。

 このような動きを加速し、新世紀に輝く沖縄の基礎を築いていくことが重要である。

 沖縄自らが振興発展のメカニズムを内生化し、自立的かつ持続的な発展軌道に乗るような条件整備を図っていかなければならない。

 そのためには、本土との格差是正を基調とするキャッチアップ型の振興開発だけではなく、沖縄の特性を十分に発揮したフロンティア創造型の振興策への転換を進める必要がある。

 自立的発展を目指すこうした沖縄振興策の成功は、日本全体の活性化と全国各地域の独自の発展の実現に、重要な布石となり刺激となると期待されており、同時にアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与していくことにつながっていく。

 このような視点に立って将来展望を行い、地方自治を尊重し、県民の意向を反映しつつ、引き続き国の責務において今後の沖縄振興の方向と施策の在り方を明らかにするとともに、行政改革に係る政府の諸方針と整合性をとりつつ諸施策の推進に努めるものとする。

 ここに、沖縄振興計画を策定する意義がある。