第2章 振興の基本方向 4 県土利用の基本方向

 沖縄は、我が国の南西端に位置し、東西1,000キロメートル、南北400キロメートルに及ぶ広大な海域に散在する大小160の島しょから成っている。県土総面積は約2,271平方キロメートルで、全国44位であるが、林野及び湖沼面積が小さいため、可住地面積の割合は全国の中でもかなり高い。

 しかし、広大な米軍施設・区域の存在が県土構造をいびつなものとしており、今後、その跡地を含めた陸域と1,748キロメートルの海岸線を有する沿岸域及び周辺海域の有効かつ高度な利用を図る。

(1) 県土の適正な利用

 県土は、現在及び将来における県民のための限られた資源であり、生活及び生産に通ずる諸活動の基盤であるとの基本認識に立って、その適正な利用と保全に努め、次の世代の県民に引き継いでいかなければならない。

 このため、自然環境の保全に配慮しながら、地域の自然的・社会的特性を踏まえ、土地需要の量的調整を行うとともに、県土利用の質的向上を図る。

 都市については、今後とも市街地の拡大が見込まれる中で、土地利用の適正化と秩序ある誘導を図り、都市の環境を安全でゆとりあるものとし、併せて社会経済諸活動を取り巻く状況の変化に適切に対応できるようにする。このため、都市施設の整備を推進しつつ、既成市街地においては再開発や沖縄都市モノレール開通など交通体系の再編等による土地利用の高度化や環境の整備を図るとともに、低・未利用地の有効利用を促進する。

 農山漁村については、地域特性を踏まえた良好な生活環境を整備するとともに、多様なニーズに対応した農林水産業の展開等により、就業機会を確保し、活力ある地域社会を構築する。このような対応の中で、優良農用地及び森林等を確保するとともに、その整備と利用の高度化を図る。また、農山漁村景観の維持・形成を図るとともに、都市との交流を促進するための環境整備を図る。

 さらに、高い価値を有する原生的な自然の地域や野生生物の重要な生息・生育地、優れた自然風景地など自然環境の保全を旨として維持すべき地域については、適正に保全する。また、適正な管理の下で、環境保全型自然体験活動等の自然とのふれあいの場としての利用を図る。
あわせて、治山治水事業等により県土保全対策を引き続き推進するとともに、水源かん養等を図るために必要な森林を保全、育成する。

(2) 海洋の保全・利用

 沖縄の周辺海域は、熱帯海域で、黒潮の本流に近く、多様性に富むサンゴ礁が発達しているなどの特性がある。このような海洋環境等は、貴重な国民の財産であることから、陸域と一体となった海域の保全を図るとともに、海洋資源や海洋空間の多面的、総合的な利活用を促進する。

 沿岸域については、細心の注意を払いつつ必要に応じて用地を計画的に確保し、国際的海洋性リゾート地の形成や、交通・都市機能などの整備充実を図る。また、各種の陸域等の開発に当たっては、沿岸域環境との調和に配慮する。

 自然の持つ再生・浄化能力や多様性を維持するため、サンゴ礁、藻場、干潟及びマングローブ林等の保全・再生・創出に努める。

 沿岸及び沖合海域における漁場の保全に努めるとともに、水産資源の利活用を促進する。

 海洋深層水をはじめとする海洋資源や海底資源と海洋エネルギーの開発利用を促進するとともに、サンゴ礁海域などの特性に対応する海洋技術の研究開発を進める。

 また、海洋情報の整備、技術交流の推進、海洋研究体制の充実を図る。

 さらに、高潮や津波、波浪等による自然災害や海岸侵食から県民の生命や財産を守るため、景観や生態系など自然環境に配慮した海岸保全に努める。

(3) 駐留軍用地跡地の有効利用

 米軍施設・区域については、大規模かつ高密度に形成され、しかも沖縄の振興を図る上で重要な位置に所在し、県民の良好な生活環境の確保、都市の形成、体系的な道路網の整備等、社会経済の面で大きな影響を及ぼし、県土利用上の制約となっている。

 このため、都市的利用が想定される駐留軍用地跡地については、周辺の土地利用との調整を図りながら、都市機能の計画的な再配置・高度化及び諸産業基盤の整備を進める。農林業的利用が想定される地域については、農林業基盤の整備を計画的に推進し、公共施設整備や集落整備を含めた総合的な整備を促進する。その他の駐留軍用地跡地については、自然環境の保全を図るとともに、周辺の土地利用との調整を図りつつその有効利用を進める。