第3章 振興施策の展開 2 雇用の安定と職業能力の開発

 産業振興と一体となった雇用機会の創出・拡大を図るとともに、特に厳しい雇用状況にある若年者の雇用促進のための施策を積極的に実施する。

 また、産業振興に必要な専門的な能力を有する人材の育成に重点を置いた職業能力の開発を行う。

(1) 雇用機会の創出・拡大と求職者支援

 地域雇用開発促進法の特例を踏まえ、地域の特性に応じた雇用機会の創出のための施策と産業動向等の情報提供や職業講習会の実施等の求職者支援の施策とを一体的に実施する。

 今後、発展が期待される重点産業において、雇用の創出と人材育成を一体的に行う沖縄特別雇用開発推進事業等の施策を推進するとともに、助成金制度等の各種制度を活用し、雇用機会の創出・拡大に努める。

 地域の特性に応じた産業振興と連携したこれらの雇用施策を効果的に推進するため、(財)雇用開発推進機構を中心とした推進体制を強化する。

 さらに、関係機関が連携した地域求人の開拓や「しごと情報ネット」の活用等による求人情報の提供及び職業相談等の職業紹介機能を充実強化し、労働力需給のミスマッチの解消に努める。

 雇用環境が厳しい状況にある高齢者や障害者等については、各種の就職支援制度の活用等きめ細かな雇用対策を推進するとともに、シルバー人材センターや障害者就業・生活支援センターの設置を促進し、就業機会の拡大を図る。

 また、全国で最も高い完全失業率など構造的に厳しい沖縄の状況を踏まえ、国、沖縄県等が連携して雇用失業情勢の改善に重点的に取り組む。

(2) 若年労働者の雇用促進

 新規学卒者を中心とする若年労働者については、若年者の雇用開発を支援する制度等を活用した雇用機会の創出・拡大を図るとともに、職業指導の充実、就職情報システムの整備及び県外求人の積極的な開拓等広域的な就職促進を図る。

 また、企業における求人動向の変化等に対応した多様な職業能力の開発や試行就業の促進等きめ細かな就職促進対策を実施する。

 特に、就職が厳しい新規学卒者等については、在学時におけるインターンシップ等就業体験を通した職業意識の向上や、キャリア・カウンセリングの充実等相談体制の強化及び実践的な技術・技能の修得促進等人材育成から就職までの一貫した支援体制を構築し、県内外に開かれた雇用機会の創出を図る。

(3) 職業能力の開発

 技術革新や経済のグローバル化の進展による経済・産業構造の変化、就業意識や就業形態の多様化に伴う労働移動に的確に対応するため、高度で専門的な職業能力開発を一層推進する。

 労働者が自発的に行う職業能力開発を促進するとともに、労働者個人のキャリア・コンサルティングを強化しキャリア形成を支援する。

 情報通信関連産業、観光・リゾート産業、加工交易型産業、健康食品産業、環境関連産業等の重点産業分野については、専門的な技術や知識を有する人材を確保するため、公共職業能力開発施設での職業訓練のほか、事業主や事業主団体、民間の教育機関、大学及びNPOなどへの委託訓練を実施するとともに、事業主が行う職業訓練を支援する。

 沖縄職業能力開発大学校においては、「生産情報システム技術科」を設置するなど、高度で専門的な技術や知識を有する人材の育成を推進する。また、沖縄職業能力開発促進センターにおいては、離転職者の早期再就職のための職業訓練を実施する。さらに、「沖縄北部雇用能力開発総合センター(仮称)」を設置し、企業の立地状況に応じた人材の育成を図るとともに、事業主団体との連携により、地場産業の基盤形成に資する教育訓練の実施、職業能力開発等に関する情報提供、相談援助等を行う。

 県立職業能力開発校においては、訓練コース、訓練内容の見直し、施設・設備や指導体制の充実強化等ハード、ソフト両面からの再編整備を進める。

 また、グローバルな知見や行動力を備えた意欲ある産業人材を育成するため、学生等のインターンシップの幅広い活用や海外企業等への従業員の長期派遣研修を行う事業主に対する支援等戦略的な施策を促進する。

(4) 働きやすい環境づくり

 職場、家庭や地域において、労働者の個性が発揮できる豊かで働きやすい社会の実現のため、労働時間の短縮を促進し、中小企業勤労者福祉サービスセンター、中小企業退職金共済制度及び勤労者財産形成促進制度などの普及促進に努める。

 また、育児・介護休業法の周知やファミリー・サポート・センターの設置を促進し、仕事と家庭の両立を支援するとともに、男女雇用機会均等法等の周知等、職場における男女の均等な取扱いの確保に努める。

 さらに、労働相談機能の充実に努めるとともに、個別労働関係紛争の解決を着実に図り、安定的労使関係の形成を支援する。

(5) 駐留軍等労働者の雇用対策の推進

 駐留軍等労働者の雇用の安定を図るため、返還合意後の職業訓練等に十分な期間を確保する。また、配置転換等に向けた技能教育訓練を推進し、雇用の継続が図られるよう努めるとともに、離職を余儀なくされる駐留軍等労働者については、再就職に向けた離職前職業訓練の一層の充実を図る。

 さらに、駐留軍関係離職者については、特別給付金の支給、就職促進手当の支給、職業指導、職業紹介、職業訓練等各種の支援措置を実施するほか、(財)沖縄駐留軍離職者対策センターを活用し、離職者の再就職を促進する。