第3章 振興施策の展開 5 健康福祉社会の実現と安全・安心な生活の確保

 だれもが、地域において、いきいきと自分らしい生活が送れる社会の実現を目指し、県民の福祉ニーズに適切に対応するとともに、健康長寿の確立に向けて取り組む。保健、医療及び福祉の充実と相互の連携を図るとともに、県民一人一人が協力し、ともに支え合う社会づくりを進める。また、県民が安全で安心して暮らせる環境づくりに取り組む。

(1) 健やかで安心できる暮らしの確保

 急速に進展する少子高齢社会において、子どもや高齢者、障害をもつ人が健やかでいきいきと暮らせる環境づくりを進める。

 ア 子どもが健やかに生まれ育つ環境づくり

 21世紀を担う子どもが健やかに生まれ、たくましく育ち、豊かな可能性が発揮できる環境を整備する。
このため、母子保健相談・支援体制や周産期・小児医療体制の整備充実を図る。
多様化、増大する保育ニーズに対応した保育所の整備を促進し、保育所待機児童の解消に努めるとともに、認可外保育施設の認可化促進をする一方、職員に対する健康診断の実施などにより認可外保育施設の質の向上を図る。また、子育て不安や悩みに対する相談体制の充実を図るとともに、地域において育児に関する相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターの設置を促進する。
児童館等地域における児童の健全育成のための拠点施設の整備を促進するとともに、放課後児童クラブの設置促進など、その充実を図る。
児童虐待については、児童相談所や学校、警察等の関係機関による連携を強化し早期に対応するとともに、その防止に努める。
要保護児童施設の整備拡充を図るとともに、ひとり親家庭の自立及び生活の安定を図る支援を強化する。

 イ 高齢者が安心して暮らせる環境づくり

 高齢化が進展する中で、高齢者やその家族が安心して暮らせるよう保健福祉や介護サービスの充実を図るとともに、高齢者の社会活動への参加を促進する。
このため、地域リハビリテーション支援体制の強化と在宅介護支援センターの整備を図り、介護予防に努めるなど高齢者が寝たきりにならないための対策を進める。
また、要介護高齢者が必要なサービスを適切に利用できるよう、安心・快適な在宅サービスの確保と老人福祉施設等の整備を進めるとともに、介護支援専門員等の人材の養成に努める。
さらに、高齢者の経験や知識が活用できるシステムづくりや生きがい及び健康づくりなどの自主的な活動に対する支援を強化するとともに、高齢者の就業機会を拡大するための多様な取組を進める。

 ウ 障害のある人が活動できる環境づくり

 障害のある人が、その持てる能力と個性を発揮しながら、社会の一員として快適に生活していくための条件整備を図る。
このため、在宅福祉サービスや障害児(者)の歯科医療の充実を図るとともに、相談支援体制の整備を促進する。また、障害児(者)を地域で支援するグループホーム、小規模作業所の法人化等を促進するとともに、社会復帰施設の拡充を図る。
障害者の生活訓練等の実施、障害者スポーツ・レクリエーションや文化活動の振興等社会参加を促進するための必要な援助を行うとともに、障害者の就業機会を拡大するための多様な取組を進める。
さらに、施設入所が必要な障害児(者)の各種施設の整備充実を図る。

(2) 保健医療の充実

 県民が安心して暮らせるよう、保健衛生の推進を図るとともに、個人の努力と社会の支援による健康づくりや保健医療体制の整備を促進する。

 ア 健康づくりと保健衛生の推進

 県民が健康長寿を維持し、実り豊かで満足できる人生を送れるよう、健康づくりへの支援、疾病予防、難病対策等を進めるとともに、保健衛生の向上に努める。
このため、公共施設の整備に当たっては、県民の健康づくりに資する付加機能を備えるなど、健康づくりを社会全体で支える環境整備を促進するとともに、健康教育、健康診査等の推進、長寿研究機関の利活用による健康寿命の延伸を目指す。
また、健康づくり等の活動拠点となる市町村保健センター等の整備促進、福祉事務所と保健所の総合的な整備を図る。
感染症、食中毒等の発生予防及びまん延防止対策の推進や、食品の安全性を確保するとともに、関係機関との連携による健康危機管理体制の強化や定期予防接種体制の充実強化を図る。
難病患者等については、療養生活の支援、療養環境の整備等を図る。
さらに、ハブ等有毒生物被害の未然防止に努めるとともに、これらの研究を推進する。

 イ 保健医療体制の整備

 高齢者人口及び生活習慣病の増加など疾病構造の変化等に伴い高度化・多様化する保健医療ニーズに対応するため、医療基盤の整備充実や保健医療従事者の養成・確保を図る。
このため、国、県、市町村及び民間医療機関が各々の機能に応じた役割を担い、連携して取り組む。県立病院については、各保健医療圏域の状況に応じ、高度医療の提供や地域医療の確保などの役割を担うとともに、高度医療、救命救急医療、母子総合医療等に対応できる県立高度・多機能病院(仮称)の整備を進める。
救急医療体制の充実強化を図るため、広域災害・救急医療情報システムを整備するとともに、精神科救急医療システムの充実等に努める。
また、離島・へき地医療の向上を図るため、離島・へき地遠隔医療支援情報システムの充実に努めるとともに、沖縄県離島医療組合を中心とする離島医療体制の拡充や急患搬送体制等を充実する。
さらに、医師・看護師等保健医療従事者の養成・確保に努めるとともに、研修事業を推進し、保健医療従事者の資質や医療水準の向上を図る。また、離島・へき地における医師・看護師等の確保に努める。

(3) ともに支え合う社会の構築

 住民の積極的かつ主体的な参加を通じてすべての人々がともに支え合い、いきいきと暮らすことができる地域づくりを進める。

 ア 男女共同参画社会の実現

 男女が互いにその人権を尊重しつつ責任を分かち合い、性別にかかわりなくその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目指す。
このため、女性リーダーの育成や発掘に努めるとともに、安心して子育てができる環境づくり等を進め、家庭生活と地域・職場等との活動の両立を支援し、社会のあらゆる分野へ女性が参画する機会の確保に努める。
また、女性総合センターにおける各種広報啓発活動等の充実、女性団体の育成や女性起業家等の支援等の強化に努める。
さらに、重大な人権侵害である家庭における夫婦間の暴力等(DV=ドメスティック・バイオレンス)女性に対する暴力をなくすための広報・啓発を図るとともに、その被害女性や社会的に支援が必要な女性のための相談支援体制の強化に努める。

 イ 地域福祉社会の形成

 地域の中で、だれもが安らぎと潤いのある暮らしができるよう、障害者や高齢者の社会参加を困難にする物理的、心理的な障壁の除去を目指すとともに、地域福祉活動の推進や人材の養成・確保等に努める。 このため、バリアフリー化の推進や、ユニバーサルデザインの理念を取り入れた施設やものづくりを促進するとともに、バリアフリー情報の発信等人にやさしいまちづくりを進める。また、ハンセン病患者、元患者に対する偏見や差別を解消するため、正しい知識の普及啓発に努めるとともに、施設入所者の社会復帰の促進を図る。
保健、医療、福祉サービスの一体的提供に努めるとともに、福祉サービス利用者等が不利益を被らないよう、苦情解決の体制を整備し利用者保護を促進する。
また、援護を必要とする低所得者世帯の自立支援を図る。
さらに、民間福祉団体等の行う地域福祉活動の活性化を支援するとともに、福祉人材の養成、研修の充実、県民の福祉意識の高揚を図る。

 ウ 社会参加活動の推進

 地域社会に貢献するボランティアやNPO等の社会参加活動を促進するとともに、円滑な活動のための環境整備を図る。
このため、多様なボランティア団体、NPO等の育成及び活動の促進やボランティアリーダー、ボランティアコーディネーター等の育成を進め、幅広い分野における社会参加活動を促進する。
また、社会参加活動拠点の整備、提供や各市町村社会福祉協議会におけるボランティアセンターの設置促進等、社会参加活動の活性化に向けた環境整備を図る。

(4) 安全・安心な生活の確保

 安全・安心な生活を維持、拡充するため、交通安全対策、地域安全対策、防災・消防活動、消費者相談等の推進、充実を図る。

 ア 交通安全対策の推進

 交通事故のない安全で快適な住みよい社会をつくるため、交通安全思想の普及を促進するとともに、交通秩序の確立及び交通環境の整備等を図る。
このため、総合的な交通安全教育施設や信号機等の交通安全施設を整備するとともに、高度道路交通システム(ITS)、バリアフリー歩行空間ネットワークや交差点の改良等安全で快適な交通環境の整備等を推進する。また、交通事故被害者支援体制の強化等に取り組む。

 イ 地域安全対策の推進

 社会の変化に伴って多様化する犯罪を防止し、県民生活の安全・安心を確保するため、各種犯罪に対して迅速・的確に対応する体制等を強化する。
このため、県民の身近な不安を解消するための警察安全相談体制の充実強化、地域と一体となった防犯活動の推進及び犯罪被害者に対する支援活動を拡充するとともに、ストーカー事件、DV事件、侵入窃盗事件、少年事件等へ迅速に対応できる体制を強化する。
また、犯罪のハイテク化、国際化等に対応した人材を育成するとともに、警察施設及び装備資機材等、警察基盤の整備充実を図る。

 ウ 防災体制の整備と消費生活の安定

 県民の生命・財産、安全を確保するため、防災・消防体制の強化を図る。また、県民の消費生活の安定に努める。
このため、消防行政の広域化、高規格救急車等の導入を促進する。また、自主防災組織及び防災ボランティアを育成するとともに、防災情報システムを整備し防災・救急等危機管理体制の整備を図る。
戦後処理の一環としての不発弾処理対策を推進する。
マルチ商法等問題商法による被害や多重債務から派生する諸問題を未然に防止するため、消費者教育・啓発を推進するとともに、消費者相談、苦情処理体制の充実強化等を図る。