第3章 振興施策の展開 7 持続的発展を支える基盤づくり

 広大な海域に散在する多くの離島で構成されている沖縄にとって、交通基盤、情報通信基盤、水資源、エネルギー等の社会資本は、県民生活の安定向上や産業活動を活性化する上で重要な基盤となるものである。特に、県内をはじめ国内外との連携を強化し、人、物、情報の交流を支える交通基盤や情報通信基盤は、本県の持続的発展の土台となるものである。

 このため、国際性や拠点性を高め、新たな活力を生み出し、地域の魅力を支える交通体系を確立し、航空、海上交通、陸上交通相互間の有機的連携の強化を図る。

 また、情報格差の解消、住民生活の利便性の向上、産業の振興、行政事務の効率化等を支える情報通信基盤の整備を促進するとともに、県民生活に不可欠な水資源やエネルギーの安定確保を図る。

(1) 交通体系の整備

 県民生活の安定向上、産業の振興、交流の活発化等を支える空港、港湾、陸上交通の整備を進め、沖縄の発展に資する有機的な交通体系の確立を図る。
このため、アジア・太平洋地域における国際交流・協力拠点にふさわしい空港や港湾の整備を図るとともに、観光・リゾート地としての魅力を高め、県民生活を支え、地域の産業振興に資する空港や港湾の整備を推進する。
また、人、物、情報の交流を活発化し、地域間の連携を強化する道路、環境への配慮や高齢社会に対応した道路の整備を進める。
さらに、情報通信技術を活用し、自動車交通の円滑化を図るとともに、公共交通の利便性を高める。

 ア 空港

 増大する航空輸送需要に対処するとともに、県内をはじめ国内外との連携を強化し交流の活発化を促進するため、空港の整備を図る。
このため、那覇空港については、沖合いへの空港施設の展開等について検討を行い、必要な整備を図るとともに、旧国内線ターミナル地区の利用について検討を行い、必要な整備を図る。また、貨物ターミナル等狭あい化が進みつつある地区について、所要の施設の整備拡充を図る。
あわせて、航空会社の就航を促すための条件整備に努め、国際航空ネットワークの拡充を図るとともに、国際航空物流ネットワーク企業の立地を促進し、国際物流拠点の形成を図る。
また、離島の生活向上や産業振興などに資する新石垣空港、与那国空港等、離島空港の整備を図る。
さらに、北部地域の観光・リゾート産業や農林水産業、製造業に加え、情報通信関連産業、金融業務の集積など産業の振興に資する軍民共用空港を念頭に置いた普天間飛行場代替施設(以下「北部新空港」という。)及び民間航空関連施設の整備を図る。

 イ 港湾

 港湾については、海上交通の安全性・安定性の確保はもとより、輸送需要の増大、輸送形態の変化に加え、海洋レクリエーション活動の進展などに適切に対応するとともに、ウォーターフロント空間の形成、防災機能の強化、バリアフリー化の推進等により、産業と生活空間等諸機能が調和した質の高い整備を図る。
特に、那覇港については、国際流通港湾としての機能の充実強化を図るとともに、那覇、泊、新港、浦添の4ふ頭地区の利便性を高めるための機能を再編する。また、臨港道路(空港線、浦添線)等、幹線臨港道路の整備を推進する。
さらに、国際クルーズ等に対応した旅客船バース、大水深バースを有する国際海上コンテナターミナルやコースタルリゾート施設等の整備を図る。
また、国際物流拠点の形成を目指し、戦略的な中継コンテナ貨物の取扱いを促進するため、電子データ交換等を含む情報システムの構築等効率的なコンテナターミナル運営を推進するとともに、物流を総合的に管理する国際的なロジスティクスセンター等の立地を図る。
中城湾港については、東海岸地域の活性化を図るため、泡瀬地区の整備、新港地区の流通加工港湾としての整備を図るとともに、中城湾港マリンタウンプロジェクトを推進する。
さらに、平良港、石垣港については、それぞれの圏域の拠点としての機能を高める施設の整備を図るとともに、金武湾港、運天港及び地方港湾の整備を進める。
また、船舶の避泊及び航行の安全確保のための基盤整備を進める。

 ウ 陸上交通

陸上交通は、通勤・通学、業務活動、観光レジャー、貨物輸送など県民生活の向上や産業の発展に密接に関わっており、体系的な道路網の整備を計画的に推進するとともに、公共交通の利用拡大を図るなど、交通円滑化のための総合的な取組を強化する。
また、高速性、定時性、安全性の確保に加え、環境、高齢者、外国人等への配慮など多様なニーズに対応した質的充実を図る。
このため、都市部と県内外との連携を強化し、人、物、情報の交流を活発化するとともに、観光等各種産業の振興に資する那覇空港自動車道、沖縄西海岸道路、名護東道路等、規格の高い道路の整備を推進し、これらと一体的に機能する一般国道58号、一般国道329号、一般国道507号、沖縄環状線等の広域的な幹線道路の整備を推進する。
また、都市部においては、市街地の秩序ある形成を促進する街路整備を推進するとともに、放射道路、環状道路の整備や交差点の改良を行い、住み良い住環境の確保及び渋滞対策の推進を図る。
その他の地域においては、地域間の連携をより強化するための県道、生活に密着した市町村道等の整備の促進や、生活交通バス路線の維持・確保を図るとともに、米軍施設・区域の返還に対応した交通ネットワークの整備を図る。
さらに、沖縄都市モノレールの整備を推進するとともに、沖縄都市モノレールとバスの有機的な連携に加え、他の交通機関との結節機能の充実を図るため、駅周辺にタクシー乗り場、自家用車乗降場、駐輪場等を備えた交通広場を整備する。
あわせて、パークアンドライドシステムの構築を推進する。
安全で快適な道路環境の充実を図るため、バリアフリー化や電線類の地中化を進めるとともに、自転車道の整備等を推進し、誰でも安心して安全に利用できる道路に加え、周辺地域の環境に配慮した道路を整備する。
自動車交通の円滑化のため、道路改良や交差点改良により交通容量の拡大を図るとともに、交通需要マネジメント(TDM)や高度道路交通システム(ITS)を積極的に活用する。
さらに、軌道系を含む交通システムについて調査、検討する。なお、沖縄都市モノレールの延伸については、公共交通の体系的整備の観点から開業後の利用状況等や延伸が想定される地域の開発計画等を踏まえた上で検討する。

(2) 情報通信基盤の整備

 情報格差を解消するため、高速通信網の整備やそれらを利用しやすい環境の整備を進め、県民生活の利便性の向上、産業の振興、行政事務の効率化等を図る。
このため、光ファイバ網やCATV網等の情報通信基盤の整備をはじめ、有線回線、衛星回線、地上無線回線等をシームレスに接続した、高速・大容量・低コストを実現する多様な情報通信基盤の整備を促進する。
また、住民が高度な情報通信サービスや公共サービスを受けられる環境の整備を図るため、高速・超高速ネットワークの整備や地域公共ネットワークの整備を促進する。
さらに、沖縄県総合行政情報通信ネットワークの整備拡充を推進するとともに情報通信基盤の整備を促進し、離島・過疎地域における情報格差の是正を図る。

(3) 安定した水資源とエネルギーの確保

 県民が潤いのある生活を享受するとともに、活力みなぎる産業を展開するため、環境の保全に配慮しつつ、水資源やエネルギーの安定的確保を図る。

 ア 水資源

 人口の増加や、生活水準の向上、経済発展等に伴い今後とも増加の見込まれる水需要については、生活用水、工業用水、農業用水等の用途別の需要の動向を踏まえ、安定した水資源の開発及びその有効利用を進めるとともに、水源のかん養を図る。
このため、大保ダム等多目的ダムや農業用ダムの建設等を推進するとともに、西系列水源開発事業等を促進する。
また、雨水等未利用水、下水処理水などの有効利用を推進するとともに、県民の水有効利用や節水意識の醸成を図り、節水型社会の形成を推進する。
さらに、水源かん養保安林の計画的な指定や水源地域の森林の整備・保全等による水源かん養機能の維持増進を図るとともに、水源地域の振興を図る。

 イ エネルギー

 電力、石油、ガス等のエネルギーについては、将来にわたり低いコストで安定供給を図るとともに、地球温暖化など地球環境問題への適切な対応を促進する。
このため、LNG火力発電所の建設等環境対策の支援、海底ケーブルの敷設等離島における効率的な電力供給の確保、安定的な石油供給の確保、新エネルギーの導入等を促進するとともに、自然エネルギー供給モデル地区の形成を図る。