第3章 振興施策の展開 8 離島・過疎地域の活性化による地域づくり

 離島・過疎地域については、それぞれの地域の持つ多様性や魅力を最大限に発揮した地域づくりを進めるとともに、雇用機会の拡大に向け、農林水産業や観光・リゾート産業をはじめとする産業の活性化を図る。また、交通基盤や情報通信基盤の整備、保健医療の確保、福祉の向上、教育・文化の振興などを図り、豊かな自然環境を生かした快適で潤いのある生活空間を創造し、地域間格差の是正や若者の定住促進及び交流人口の増加を図る。

(1) 産業の振興

 離島・過疎地域においては、住民の創意工夫を生かし、地域特性を生かした農林水産業の振興をはじめ、豊かな自然、独特な文化等を活用した個性ある観光・リゾート産業の振興、観光・リゾート産業と連携した農林水産業、製造業、伝統工芸産業等の産業振興を図る。
このため、地域の基幹産業である農林水産業については、さとうきび等土地利用型作物、畜産等の生産体制の強化、さとうきびの総合利用など地域資源を活用した製品開発を促進し、農林水産物の付加価値を高めるとともに、担い手の減少や高齢化等に対処し、新規就業者の支援をはじめとした後継者の育成・確保に努める。製糖企業については、経営の合理化を促進し、特に、含みつ糖については、新商品の開発等による経営体質強化の取組を促進する。
また、農業用水源、かんがい施設、ほ場、防風施設、漁港・漁場等の整備を進めるとともに、森林が持つ多面的機能の維持・増進に努める。
観光・リゾート産業については、自然景観や伝統文化など地域資源を生かし、エコツーリズム、グリーンツーリズム、森林ツーリズム、ブルーツーリズムの体験・滞在型観光、健康・保養をテーマとした観光等を推進する。また、これらの体験・滞在型観光を支える施設整備や体験プログラムの作成、ガイドやインストラクター等の育成など、受入体制の整備を促進するとともに、宿泊施設の整備を促進する。
また、観光ルートの整備を図るとともに、各種イベントの創出など地域内外との交流活動や、ピーク時における輸送力の強化を促進する。
食品加工業等の製造業については、観光・リゾート産業と連携した土産品等の開発や、地域食材等を活用した特産品の開発を促進するとともに、情報化等に対応した設備の近代化や技術力の向上を図る。
伝統工芸産業については、その継承・育成に努めるとともに消費者のニーズに対応した新製品の開発を促進する。また、後継者の育成・確保、原材料の安定供給に努める。
地域特産品等の販路拡大を図るため、インターネット等の活用を促進する。

(2) 交通、情報通信基盤の整備

 離島・過疎地域においては、県内外や都市部との連携を強化し、人、物、情報等の交流を活発化するため、空港、港湾、道路等及び情報通信基盤の整備を図るとともに、航空路線網や海上航路網の維持・確保に努める。
このため、新石垣空港、与那国空港等離島空港の整備を図るとともに、離島航空路線網の維持・確保に努める。
海上交通については、安全性・安定性を高める防波堤等の整備に加え、施設のバリアフリー化や、旅客待合所を整備する等地域の特性に応じた港湾の整備、海洋レクリエーションやクルーズ等に対応した港湾の整備を図るとともに、離島航路網の維持・確保に努める。あわせて、那覇港、石垣港等のふ頭地区の再編を促進することにより、離島航路利用者の利便性の向上を図る。
道路については、離島架橋の整備、空港、港湾等の交流拠点との連結を強化する道路の整備、生活に密着した市町村道等の整備を図る。
情報通信基盤については、光ファイバ網やCATV網等の情報通信基盤の整備を促進するとともに、沖縄県総合行政情報通信ネットワークの整備拡充を進める。

(3) 生活環境基盤の整備

 地域特性に立脚した定住環境を整備し、快適で潤いのある豊かな生活環境や環境に優しい生活空間の創出を図る。
水の安定供給を図るため、多目的ダムの建設を推進するとともに、海水淡水化施設や海底送水管の整備等を進める。
また、高度処理施設等水道施設の整備を進めるとともに、水道事業体の広域化を促進する。
下水道等については、下水道、集落排水施設の整備を図るとともに、合併処理浄化槽の普及を促進する。
廃棄物対策については、廃棄物の減量化、リサイクルを促進するとともに、使用済自動車等の不法投棄防止対策の強化、廃棄物の輸送コスト低減に向けた取組及び処理施設の整備を促進する。
エネルギーについては、新エネルギーの導入、自然エネルギーのモデル地区の形成、電力海底ケーブルの敷設などを促進する。

(4) 保健医療の確保と福祉の向上

 離島・過疎地域の住民の保健医療を確保するため、地域の実情に応じた保健医療体制の整備を図るとともに、高齢者の保健福祉対策、子育て支援、障害児(者)支援対策を促進する。
このため、へき地医療支援機構及び沖縄県離島医療組合の設置・拡充を図るとともに、離島・へき地遠隔医療支援情報システムの充実、救急患者搬送等救急医療体制の充実強化を図る。
また、無医地区や無歯科医地区については、巡回診療を実施するとともに、その解消に努める。
さらに、公立病院及び診療所、医師住宅、看護師宿舎の整備を図る。
総合診療医の養成等研修の充実を図り、医師・看護師等医療従事者の安定確保に努めるとともに、町村における保健師の確保及び定着を支援する。
さらに、介護サービスの充実及び在宅介護支援センターの整備など高齢者保健福祉の向上を図るとともに、へき地保育所及び児童館の整備による子育て支援及び小規模複合施設の整備等による障害児(者)の支援を促進する。

(5) 教育及び地域文化の振興

 地域の実情に対応した創意工夫に富んだ教育を進めるとともに、教育環境の整備に努め、創造性に富み国際性豊かな人材の育成を図る。
また、生涯学習を推進する施設整備を図るとともに、地域文化の創造活動を促進し、それぞれの地域に誇りを持ち生涯にわたって学習できる環境づくりを進める。
このため、近隣学校間での集合学習、都市地区との交流学習等を積極的に推進するとともに、老朽校舎の改築、給食調理場等教育施設の整備、既設施設の共同利用、国際化や情報化等に対応した施設設備の整備を図る。
また、地域住民に身近なスポーツ施設の整備を促進する。
さらに、伝統文化を保存・継承するとともに、地域文化活動の推進、伝承者養成、芸術鑑賞の機会の創出等による文化の振興に努める。

(6) 自然環境及び県土の保全

 多様性を有する離島・過疎地域の自然環境の適切な保全施策を総合的に推進するとともに、災害に強い県土づくりを進める。
このため、森林を適切に保全管理し、新たな国立公園の指定を検討するとともに、自然環境保全地域、自然公園及び鳥獣保護区の適正な配置・管理及び活用を図る。生物多様性の確保に努め、国際サンゴ礁研究モニタリングセンターや野生生物保護センター等の活用を図る。
また、赤土等流出防止対策を推進する。
さらに、自然景観や環境等に配慮した治山治水対策及び海岸等の整備を推進するとともに、森林の多様な整備等を図る。