第4章 圏域別振興の方向 4 宮古圏域

【現状と課題】

 本地域は、隆起サンゴ礁の平坦な地形から、台風や干ばつによる被害を受けやすい厳しい自然環境に置かれている。
また、生活用水のほとんどを地下水に頼っており、地下水の水質の保全が重要な課題である。
一方、島全体が石灰岩土壌であることや、美しい海浜景観に恵まれていることから、さとうきびを中心とした農業や観光・リゾート産業が基幹産業となっている。
また、御嶽等の多くの文化遺跡や豊かな自然に見られるように、独特な文化と風土を有している。しかしながら、総体として労働人口を吸収するだけの産業が育っていないことから、圏域の担い手となる若年層の島外への流出による、過疎化と高齢化が進んでいる。

【振興の基本方向】

 美しい自然環境を保全するとともに、地下水の水質を維持し快適な生活環境を創出するなど、資源循環型の社会システムの構築に向けて取り組む。
情報通信基盤の整備が進められていることから、自然に囲まれた島の環境を生かしたSOHOの導入を促進する。農林水産業の振興はもとより、各種スポーツイベントの開催やキャンプ地としての利用の実績を生かし、スポーツや健康・保養をテーマとした体験・滞在型観光を中心に観光・リゾート産業の振興を図る。
また、これら産業間の連携を図り、雇用機会を創出することにより、地域の活性化に努める。

(1) 資源循環型の社会システムの構築

 本地域は、環境の保全と産業の振興とのバランスの上に、美しい自然と豊かな暮らしを両立させるため、ゼロエミッション・アイランド沖縄構想に基づくモデル事業を展開する。
このため、廃棄物の減量化、リサイクルや適正処理を促進するとともに、新エネルギー導入の促進や自然エネルギー供給モデル地区の形成を図る。

(2) 産業の振興

 ア 農林水産業の振興

 地下ダム貯留水の水質保全に留意するとともに、かんがい施設など生産基盤の整備を推進し、マンゴー等重点的に推進する品目については拠点産地を形成する。
また、さとうきび、肉用牛等については、生産体制の強化及び畜産環境対策を推進する。特に、さとうきびについては、葉たばこ等との輪作体系の確立、農業生産法人、作業受託組織の育成・強化、機械化一貫作業体系の導入を推進する。
沿岸漁業や藻類養殖業の促進、水産加工品の開発、流通加工施設や漁港・漁場等生産基盤の整備などによる生産流通体制の強化を図るほか、水源かん養、潮・風害防備等のための森林を整備する。

 イ 観光・リゾート産業の振興

 「全日本トライアスロン宮古島大会」等の定着により、観光客は増加しており、今後とも地域の特性を生かした魅力ある観光・リゾート地づくりを推進する。
このため、島の特性を生かした体験・滞在型観光を可能にするレクリエーション施設や長期滞在型施設、数多く所在する歴史・文化遺産を生かした「歴史・文化ロード」の整備を促進する。
ウエルネス等の健康・保養をテーマとした観光や、ダイビングをはじめとしたマリンスポーツの振興を図るとともに、グリーンツーリズム、ブルーツーリズム等の農業や水産業と連携した観光を促進する
また、本土とのチャーター便就航の実績を重ね、航空路線の拡充を図るとともに、国内外の大型クルーズ客船の就航を促進する。
平良港については、宮古圏域の観光・リゾート拠点としての整備を図るためコースタルリゾートプロジェクト(トゥリバー地区)を推進する。
下地島空港の周辺地域については、観光資源である海洋景観の保全を図るとともに、スポーツレクリエーション施設等の整備を促進する。

(3) 産業・生活環境基盤の整備

 平良港の地域の拠点港湾としての整備と併せた大型クルーズ客船に対応した施設整備を推進する。また、空港及び港湾等広域交通拠点へのアクセス道路や地域振興を支援する道路網の整備、地域を支える公共交通基盤の整備、地域ITSの導入を促進する。さらに、伊良部架橋の事業着手に向けて取り組むとともに、新多良間空港や高野川満線等の整備による離島とのアクセスの改善等により、交通体系の整備を行う。
また、広域的なレクリエーション需要に対応し、住民の憩いの場となる広域公園の整備に努める。
情報通信関連の環境整備を行い、情報通信産業振興地域制度を活用した企業立地や、産業、教育、医療、福祉等各分野における情報化を進めるとともに、SOHOの導入を促進する。
生活排水処理については、公共下水道、集落排水施設の整備を進めるとともに、合併処理浄化槽の普及を促進し、地下水、海域の汚染防止に努める。

(4) 職業能力開発機会の確保

 本地域においては、公的な職業訓練の機会が乏しいことから、地域の人材ニーズに応じ、民間の教育機関等に職業訓練を委託するなど、職業能力開発機会の確保を図る。

(5) 保健医療・福祉関連基盤の整備

 公立病院等の保健医療及び福祉関連施設の整備を進めるとともに、保健医療及び福祉従事者の養成・確保や地域福祉の基盤整備、救急医療体制の充実強化等を図る。