株式会社トランク

商品・サービスの特徴/または注目した点
・沖縄の外食産業の地位向上に貢献したい
ー仕事の都合で東京から赴任したことをきっかけに、沖縄へ移住した野間社長。その後、外食産業の魅力に惹かれ起業することになるが、沖縄に来た当初、外食産業の地位の低さを感じたという。そんな沖縄の外食産業を変えたいと思い、従業員の「知識」「サービス力」「技術力」を育成し、高いクオリティで勝負できる企業を目指した。将来的には、沖縄の外食産業の地位向上に貢献できるよう、自身の店舗のクオリティを上げ、従業員給与へ反映することはもちろん、従業員が「サービスが好きで働いているんだ」と誇りをもって働ける職場づくりに取り組む。
ー現在、複数ブランドで県内に12店舗を展開。ブランドのひとつであるPUZOは、初出店当初こそ赤字が続いたが、ヒット商品の開発により、会社の業績に大きく貢献する頼もしい存在に変貌。コロナ禍ではECサイトでの売上も追い風となり、業績を伸ばし続ける企業に成長した。
・トップダウン型からボトムアップ型の店舗経営へ~ 「PUZO」の事例~
ー社長の母が作るチーズケーキの味を再現し商品化したのがPUZOの始まり。従業員はほぼ女性が占めており、「働いているお母ちゃんが輝く場所」がコンセプト。
ー新商品のネーム決めひとつをとっても、これまでは社長の肝いりで進めることが多かったが、今は社長の業務を必要最小限に留め、新商品のアイデアからパッケージ制作に至るまで、従業員が試行錯誤しながら、新商品を作り上げていくスタイルに転換。
ー各店舗の事業計画についても、基本的には各店長に一任し、社長が売上について指示することはない。
ー部下の裁量権を拡充したことで、個々人の自主性も高まった。従業員が自らチャレンジし、成功体験を積むきっかけになった。店舗で成果を出した従業員の中には、パートから店長にまでキャリアを積んだ女性もいる。
・経営者マインドの育成~社内数字の見える化・ノウハウの共有~
ー起業した当初から、各店舗の売上や、社長を含む全員の給与を社内に開示。「スタッフはお店の経営者」と位置づけ、経営者と同じように社内数字を扱い、従業員自身が創意工夫できた方が、「楽しく」働けるというのが社長の信念だ。従業員から会社への信頼にもつながっている。
ー例えば、新商品を開発する際にも、従業員が人件費や材料費などを用い「原価」を計算し、それを元に「商品価値」を決めている。従業員は、原価計算など経営に必要なスキルを身につけ、自身の武器にしている。
ーまた、各店舗の運営に独自性を持たせ、 「縦割り」ではない運営を可能にしている。自店舗で上手くいった仕組みを他店舗にも取り込むなどの現場改善がスピーディに進んでいる。
・今後の展望
ー今後1年で、PUZOやデリカテッセンのブランドを1店ずつ展開予定。ブランド数を増やすより、今のブランドを着実に成長させたい。
ワインソムリエなど、”プロ”の従業員を雇用しているため、「モノ」売りから「コト」売りへの挑戦を目指す。
商品・サービスの特徴/または注目した点
【代表者】代表取締役社長 野間 謙策
【住 所】 沖縄県那覇市宇栄原1-15-1
【従業員】 135名
【業 種】 サービス業(2023年2月2日取材)