経営デザインシートの活用について(御紹介)

平成31年2月6日

(更新:令和2年6月15日)

沖縄総合事務局経済産業部

 

企業がユーザの多様な価値観に訴求するためには、価値創造のメカニズムを機動的・継続的にデザインしてイノベーションを創出すること、そのために知財が価値創造のメカニズムにおいて果たす役割を的確に評価することが期待されます。

このような中で、知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会の中に、「知財のビジネス価値評価タスクフォース」を立ち上げ、議論を行ないました。そして、「知財のビジネス価値」に着眼し、知財の価値を価値創造のメカニズムとの関係において評価するため、「経営デザインシート」が提案されました。中小企業の知財戦略強化の支援にも、「経営デザインシート」の活用が検討されています。

この「経営デザインシート」の概要と、沖縄地域における活用事例について御紹介いたします。

1.経営デザインシートとは
 ・経営デザインシートとは、将来を構想するための思考補助ツール (フレームワーク)であり、具体的には、環境変化に耐え抜き持続的成長をするために、自社や事業の
  (A) 存在意義を意識した上で、
  (B) 「これまで」を把握し、
  (C) 長期的な視点で「これから」の在りたい姿を構想する
  (D) それに向けて今から何をすべきか戦略を策定する
 ことができます。

2.経営デザインシートの活用方法の例
 ・経営課題の気づき・整理、新事業の構想の検討材料とするため、経営層と従業員が共同でシートを作成する。
 ・他社との連携を促進するために、自社が協力してほしい企業に提示・共有する。v
 ・事業継承をおこなう際に、現経営者が「これまで」を記載、後継者候補が「これから」を記載し、シートを作成する。

3.経営デザインシートに関する資料
・経営デザインシートの概要:「経営デザインシートについて
・経営デザインシートのテキスト:入門編応用編


4.経営デザインシートのひな形
・全社シート(解説用PDF版PPT版Excel版
・事業シート(解説用PDF版PPT版Excel版
・事業が一つの企業用シート(解説用PDF版PPT版Excel版英語PDF版英語PPT版
・作成補助シート1(PDF版PPT版) ・作成補助シート2(PDF版PPT版
・作成補助シート3(PDF版PPT版) ・作成補助シート4(PDF版PPT版
・経営デザインシート(簡易版)(PDF版/PPT版Excel版英語PDF版英語PPT版

5.沖縄地域における活用事例
○株式会社エレドック沖縄(那覇市)の経営デザインシート
・株式会社エレドック沖縄では、今後の自社のあり方を検討するために、経営デザインシートを作成されました。同社のシートでは、これまでを「エレベーターを見守る会社・「エレドック」」、これからの姿を「機械設備ならお任せ・専門家集団「エレドクター」」と位置づけ、同社がこれから提供したいと考える価値を、知財の活用の側面からどのように実現できるか分析・検討されています。
株式会社エレドック沖縄の経営デザインシート
経営デザインシートの活用例

○株式会社フォスタ(浦添市)の経営デザインシート
・株式会社フォスタでは、自社の創造的な発想を生かし、自分たちで事業の開発・運営ができる新事業を検討するために、経営デザインシートを作成しました。さらに、従業員・関係者に対して意見交換会を開催し、経営デザインシートに沿って説明・協議を行うことで事業方針の共有を図りました。さらに、経営デザインシートを元にして、新事業のブランド戦略を検討しました。
・株式会社フォスタの経営デザインシートの活用例

○社会福祉法人東原福祉会における経営デザインシート
・社会福祉法人東原福祉会においては、職員の育成や組織化に対するビジョンの明確化と職員への浸透や、今後の事業継承といった課題に対して、全体的な観点から課題解決を図り、組織内の人的財産や知的財産等の資源の発掘と活用方法を検討するため、経営デザインシートを作成しました。その中で、理事長・主任それぞれが経営デザインシートを作成し、お互いに提示することで、今後の方針について協議しました。
・社会福祉法人東原福祉会の経営デザインシート
・経営デザインシートの活用例

【参考】
経営をデザインする(知財のビジネス価値評価):知的財産戦略本部 検証・評価・企画委員会「知財のビジネス価値評価タスクフォース」ホームページ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html

(お問い合わせ先)
内閣府沖縄総合事務局経済産業部地域経済課
担当:山口
TEL:098-866-1730(直通)